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2004年7月
三菱のリコール隠しの顛末を見るたびに、ある事柄を思い出します。
それは、「モータリゼーションが爆発的に普及しつつある1950年代のアメリカにおいて、車両不具合による死亡事故があった場合、不具合修正にかかる費用と事故を隠密に処理する保障という名の口止め料のバランスシートが存在した」というものです。
設計不備の改修、いわゆるリコールは莫大な費用を必要とします。
そこで、「リコール発表するくらいなら遺族に多額の口止め料を払った方が得」という発想の元、どのくらいのレベルなら口止め料、それ以上ならリコール発表、みたいな資料を作って対応していたようです。
ちなみにその口止め料ってのが個人が受け取る額としては天文学的数字であり、かなりの事件をもみ消しせていたらしいですな。
「相手も納得するんだから別に悪いこと無いじゃん」みたいな発想はさすがアメリカ人、どこかネジが異なります。
さすがに今はやってないと思いますが。
しかし三菱自動車、かなりやばいみたいですね。
あんなことやらかしてたんだから当たり前ですけどね。
「新車販売数、大幅減」とかニュース見ても「リコール隠しとか知ってても買う人いるんだ!」って別の意味で驚いたりしてます。
ギリギリの緊張感とか求める人が買ってるんですかね?
もしくはなにかしらのネタにしようと思ってる人とか。
ちょっと最近三菱車を買った人にその辺の動機を聞いてみたい気もします。
倒産はしないというか、させてもらえないでしょうから、なにかしら解決策を考えないと。
「リコールは隠さない」とか当たり前すぎてアピールポイントにはなりえないので、その辺は却下。
もっとユーザーの購買意欲をそそってよだれで溺死するくらいの魅力的な必殺商品を開発する必要があります。
三菱の三菱による三菱のための三菱を開発するのです。
イメージリーダーたるフラッグシップモデル、日露戦争当時で言えば戦艦三笠のような代名詞的存在を新たに作り上げるのです。
現行のモデルは所詮リコール隠し含有量何パーセントと見られてしまうので、ここは
そのためにまず、三菱のイメージを確立せねばなりません。
三菱といえば、誰しもがまず第一に発想するもの。
それは三菱艦上戦闘機「零戦」です。
出口調査によると、100人中150人ほどが「三菱と言えば零戦」と答えたと言う伝説もあります。
ちなみに「ゼロセン」よりも「レイセン」の方がより魂を揺さぶるので皆さん以後留意するように。
とにかく21世紀の零戦を作ればよいのです。
軍需産業が許されない日本において、その末裔を自動車に託すのもロマンってなもんですよ。
そしてそれは三菱にしか出来ない芸当なのですし。
三菱鉛筆じゃしょうがねぇだろ?
ハイ、21世紀零戦の開発で決定。
ここで零戦のイメージの良い点を考えてみましょう。
・軽量を生かした高機動性。
・なんとも流麗なデザインがそそる。
・長距離飛行にも程があるっちゅうねんってくらいの航続距離。
・20mm砲を戦闘機に搭載するなんてアナーキー・イン・ザ・JP!
これだけ模倣するだけでもかなりのいかした車ができますぜ!
まず高機動性を確保するために徹底した軽量化を図る。
零戦にならって安全装備類を排除すればかなり軽量化できます。サイドドアビーム?って感じ。
流麗なデザインは、空力を考えて適当に。しかし色は必ず灰褐色か濃緑色で。
あと翼端折り曲げをイメージしてドアミラーは上にたたむように。引き込み式脚を再現すると車として機能しないから断腸の思いでそれは断念。
これでまた零銭に一歩近づく。
さて、零戦の第二の武器とも言われたその長大な航続距離は基本的に自動車としてもメリットは大きいはず。
しかしあまり燃料を積むと機動性が悪くなるので、ここは零戦に習い落下式追加タンクを採用。峠の手前で増槽は捨てましょう。「零戦が増槽を捨てた!」とザコックピット第二話風に誰か言ってくれます。
そして最後に20mm砲。
日本の誇るエース坂井氏によれば20mm砲は当たらない割に被弾したときに危険な代物、との烙印を押されてしまっているが、なーに一般ユーザーなんてその辺の差なんてわかりっこないのだ。ということで搭載決定。
標準で短砲身の1号銃にしといて、オプションで射撃精度の高い2号銃を割高で設定しておけば、上級嗜好のユーザーから搾り取れること請け合い。
ここまで出来たらあとは名前だけ。
21世紀の零戦なので、「零戦21型」でいいじゃないですか!
22世紀には22型を出せばいいし。
23世紀には23型といきたいところだけど、そんな型番はない。
しかしその頃は海面上昇で陸地なんてちょびっとしかないでしょ。だから自動車なんて要らないからOK。
となると、そこは水上機になるわけで、おお、下駄履き零戦にすれば良いじゃない!頭いい、俺!
この零戦開発計画で三菱は23世紀まで安泰です。
なんとなく致命傷っぽい案でもありますが、気にすんな。
2004/07/13
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